症例8当時39歳 男性
右手第5基節骨骨折
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今回掲載する症例は、指の骨折では非常に発生し やすい、直達外力による骨折についてです。 直達外力による骨折を簡単に説明すると、ぶつけ たり挟んだ所が折れたということです。 そして直達外力の骨折は横骨折や粉砕(骨片)骨 折となることが多いと言われています。 さらに、それぞれの骨折の特徴としては、 横骨折 →二次性転位が発生しやすい骨折。 骨折線が骨長軸に対して直角とな る為、整復後は安定し再転位しに くい。 粉砕骨折→整復困難であり整復位保持も困難 (骨片) なうえに高い確率で周辺組織の損 傷を併発している為に緊急性が高 い場合も多く、ほとんどの症例で 外科的な治療を必要とする。 他にも特徴はあるのですが、骨折の可能性がある 状態で来院された患者さんの初検時に一番頭に入 れておかなければいけない特徴は上記のようなも のになります。 どちらの骨折も直接ぶつけたり挟んだ場所に発生 し、その打撃や圧迫力や剪断力(粉砕骨折の場合 は轢傷でも発生するのですが、その場合鑑別は簡 単なので今回は考えないものとします)の強度や 面積によってどちらかの骨折を起こします。 ちなみにこの患者さんは手をぶつけた後に指が閉 じなくなり受傷半日後に受診されて骨折が発見さ れました。 ぶつけた直後から患部を保護していたそうなので 今回の転位は一次性のものだと思われます。 直達外力の場合は折れた直後に大丈夫だと思い、 曲げ伸ばしをしたり触ってみたときにズレてしま う事があります。 その為明らかに強く打ち付けた場合は、なるべく 患部を動かさないようにして遠慮なくご相談くだ さい。 そして今回の骨折の症状は 限局性圧痛(+)、腫脹(+)、皮下出血(+) 神経・大血管損傷(−)、皮膚損傷(−) 転位(+)→橈側(+)、尺屈(+) 掌側(+)、背屈(+) 特筆すべき持病などはなし だったので整復しました。結果から言うと、「Repo perfect」 でした。 折れている場所がよーく見ないとわからない位に きれいに整復できているのが確認できるかと思い ます。 ちなみに今回の骨折も転位状態からわかるように 回転転位をしていたのですが、この第8症例目が 私(院長 鐘ヶ江)の初めての回転転位の整復症 例です。 冬に整復したのですが、緊張のせいでものすごく 大量の汗をかいたのを覚えています。 そして今回はきれいな横骨折だったのでプライト ン副子にて固定して、再転位をすることもなく、 ROM訓練も行わずに2〜3ヶ月程度で完治され ました。 皆さんも日常の中であまりにも強くぶつけてしま った時には、むやみに患部を動かさずに保護して 早めに遠慮なくご相談ください。 以上、第8症例目の整復レポートでした。
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