掌側バートン骨折の徒手整復

症例２８

当時４歳　女性

右掌側バートン骨折

＜当院ホームページでのみ掲載を許可された症例画像の為、無断転載はおやめください＞

今回は小児骨折を掲載していきます。　　　　　
まずは何歳までが小児骨折なのかという事から説
明していきます。　　　　　　　　　　　　　　
骨折の理論においては、新生児期・幼児期・学童
期ごろまでの骨折を、小児骨折と分類します（０
〜１２歳）　　　　　　　　　　　　　　　　　
もちろん個人差がある為、あくまで分類上での線
引きとなります。　　　　　　　　　　　　　　
そして小児骨折には沢山の特徴がある為、今回の
症例を参考にして、お子さんのもしもの時に備え
て頂けると幸いです。　　　　　　　　　　　　
幼少期は将来的な展望などを考えたうえで本人が
意思決定をすることが出来ない為、親御さんの選
択の責任が大きくなり不安になってしまう事があ
ると思います。　　　　　　　　　　　　　　　
当院では少しでも不安を取り除き最適な方法をご
提案できるように、しっかりと説明をさせて頂き
最大限のお力添えができるように努めております
ので、安心してご相談ください。　　　　　　　
今回の症例はバートン骨折という関節の一部を巻
き込んだ骨折で、そのほとんどが手術での治療を
選択されています。　　　　　　　　　　　　　
しかしこの患者さんは４歳で骨もまだまだできて
おらず、手術跡が大きく残る可能性や骨に金属を
打ち込む辛さ等を考えると、手術は回避してほし
いと思いました。　　　　　　　　　　　　　　
幸い、医師が整復可能だと判断したため徒手整復
にて保存的に治療をすることになりました。　　
ちなみに今回の受傷原因は、転落です。　　　　
そしてその高さは３０ｃｍだったので、当時はそ
の高さでの発生に衝撃を受けました。　　　　　
受傷翌日の来院でしたが、骨折の症状は　　　　

限局性圧痛（＋）、腫脹（＋）、皮下出血（＋）
神経・大血管損傷（−）、皮膚損傷（−）　　　
転位（＋）→橈屈（＋）、橈側（＋）　　　　　
　　　　　　掌屈（＋）、掌側（＋）　　　　　

特筆すべき持病などはなし　　　　　　　　　　
だったので整復しました。　　　　　　　　　　


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結果から言うと、「Ｒｅｐｏ　ｐｅｒｆｅｃｔ」
でした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　
画質が悪いですが、折れている場所がわからない
位にきれいに整復できているのが確認できるかと
思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　
この患者さんは整復の時に大泣きしていましたが
何とかキレイに戻す事ができました。　　　　　
回復も早く、固定後１ヶ月ほどで完治されました
学齢期前のお子さんの場合、意思疎通が難しい場
合があり本気で整復を嫌がりますが、様々な工夫
や親御さんの協力を得る事で骨を引っ張ることが
出来ます。　　　　　　　　　　　　　　　　　
手術をしないで治すために、ご理解とご協力いた
だける事に感謝しながら、さらに安定的に的確な
整復ができるように頑張ろうと思った症例でした


以上、第２８症例目の整復レポートでした。