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リバースローランド骨折??

症例10

当時38歳 男性

左手第5中手骨基底部複合骨折

第10症例目

<当院ホームページでのみ掲載を許可された症例画像の為、無断転載はおやめください>


この患者さんは拳をぶつけて受傷されました。 
そしてぶつけて1日半経過後に受診して骨折が発
見されました。               
過去に掲載した第49症例目の骨折に類似してい
ます。                   
しかし私はリバース・ベネット骨折は2例しか経
験が無いと書きました。           
実は今回の骨折は第42症例目でも登場した、複
合骨折であるため、リバース・ベネット骨折とは
扱いがかなり違います。           
親指に発生するベネット骨折の小指バージョンと
いうことでリバース・ベネット骨折(逆ベネット
骨折)と呼ばれていますが、今回は親指に発生す
るローランド骨折に折れ方がそっくりです。  
ローランド骨折の小指バージョンは更に稀な発生
頻度なので、リバース・ローランド骨折なんて名
称は教科書には載っていません。       
しかし患部をよーく見ると、しっかりとV字に折
れて尺側中枢方向へ転位しています。     
なので当時、これはリバース・ローランド骨折だ
と思ってローランド骨折の整復操作を参考にして
整復しないといけないなと考えました。    
このような経緯があるため、私(院長 鐘ヶ江)
のリバース・ベネット骨折の整復経験数には含め
ませんでした。               
実際、整復の時は近位第3骨片をメインで扱いま
すので、整復操作もリバース・ベネット骨折とは
全く違います。               
ちなみにこの患者さんは外見上結構腫れていまし
た。                    
しかし腫れのわりに内出血が無かったため、最初
は大丈夫だと思っていたそうです。      
しかし段々と痛みが増していき、翌日から痛みが
辛くなり受診されました。          
そして今回の骨折の症状は          

限局性圧痛(+)、腫脹(+)、皮下出血(−)
神経・大血管損傷(−)、皮膚損傷(−)   
転位(++)→尺側(+)、短縮(+)    

特筆すべき持病などはなし          
だったので整復しました。          


第10症例目2

<当院ホームページでのみ掲載を許可された症例画像の為、無断転載はおやめください>

結果から言うと「Repo good」でした。 少しピントがズレてぼやけていますが、第5中手 骨基部が橈側に寄っているのがわかるかと思いま す。                     短縮転位残存の為「Repo good」という 評価を頂きましたが、この患者さんも予後良好で 数ヶ月のROM訓練を施して完治されました。  そして写真を見ると小指が短くなっているように 見えるのですが、まだまだ新米だったこの頃の私 はそのことを当日の業務終わりに医師に尋ねたと ころ、毎回全く同じ条件で撮影できるわけではな いので、その辺を考慮して読影するようにアドバ イスを頂きました。              それからは折れている骨だけでなく周辺の骨を含 めて立体的にイメージすることで、より患部の状 態を把握出来るようになりました。       基礎的な解剖の知識と骨の模型や解剖実習の大切 さを改めて感じたのを覚えています。      以上、第10症例目の整復レポートでした。  

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